草のうた、石ころのうた

『草のうた』『石ころのうた』三浦綾子著 角川書店

この間、三浦さんの自伝を紹介しましたが、私は『道ありき』『この石の器をも』しか
読んだことがなかったため、幼少期と青春時代が読みたくなりました。

感想は、何て三浦さんの周りはいい人ばかりなのだろう、ということです。
三浦さんはきれいな物や人、心のきれいな人、一芸に秀でた人などを手放しで
賞賛しています。良いものを見つけ出すのに優れた人なんだな、と思います。

ただし、本人が言っているのは、物事を深く考えなかったため、
戦争をすることに疑問も持たなかったし、戦地へ行く人の気持ちなどはまったく
考えなかったということです。ちょうど女学生の頃から教師として過ごした期間は
軍国主義の真っ只中で、一番影響を受けた世代なのでしょう。
この反省から、三浦さんはクリスチャンになるわけです。
三浦さん自身、純粋で一生懸命だった分、よほどショックが大きかったのでしょう。

三浦さんは16歳から22、23歳ぐらいまで教師をしていたそうですが、
子供たちがとてもかわいいです。休み時間にワーッと三浦さんの指を奪い合ったり、
退職した三浦さんが小学校のある町を1年ぶりに訪れたら、
恥ずかしがってみんな遠巻きに隠れて、呼ばれたらワッとばかりに走り寄ったり。

三浦さんは後々まで教え子達ににすごくよく記憶されていて、
いい教師だったろうに、辞めてしまってとてももったいなかったと思います。
けれど、7年間情熱を捧げたからこそ、世の中が逆転した時、
虚無感におそわれてしまったということは、分かるような気がします。

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